冷蔵ショーケースの種類

冷蔵ショーケースとは、食品を冷却しながらも外から内容物を確認することができる冷蔵庫の一種です。

冷蔵ショーケースは、スーパーをはじめとする小売業の販売用に開発されているため、お店の規模や用途に応じてさまざまなシリーズが用意されています。

冷却しておく必要がある品物も、冷蔵ショーケースがあれば、お客様の目に付く場所へ並べ、陳列することができるため高い販促効果も期待できます。


冷蔵ショーケースを冷却するには必要となる冷凍機。

冷凍機には「冷凍機別置型」と「冷凍機内蔵型」の2種類に大別されていますのでご紹介していきます。


冷凍機別置型ショーケース(コンデンシングユニット)


ケースと冷凍機が別になっているタイプです。このタイプは、現地にて冷凍機とショーケースを接続して使います。コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの冷蔵ショーケースを並べて食品を大量に陳列する場合によく使われています。


   

【メリット】

・冷凍機を室外に別置できるため排熱や機械音がほとんど出ない。

・冷凍機を大型化することができ、ケースの台数が多くても複数のケースを1台

 の冷凍機で冷却できるためランニングコストが安価。

・ケースを連結することができるので、商品の連続感を損なわず効果的な陳列

 が可能。


【デメリット】

・屋内外に冷凍機の設置スペースが必要。

・冷媒や排水のための配管設備が必要なので、専門業者に工事を依頼する必

 要がある。

・配管工事が必要なのですぐには使えず、一度設置してしまうと店内レイアウ

 トの変更は困難となり、移動も簡単にできない。

  

 

冷凍機内蔵型ショーケース(冷凍ユニット)


冷凍機内蔵型は、ショーケースの中に冷凍機を内蔵しています。

一般の飲食店では主にこちらを利用していることが多く、また、視認性が高く内容物を把握しやすいために調理用食材の保管や飲料を冷却する場合に利用していることが多いです。


     


【メリット】

・ケースに冷凍機を内蔵しているため,コンセントにつなぐだけで使用可。

・排水用のタンク受けや蒸発装置が内蔵されていて工事も不要のため、設置し

 た後の店内レイアウトの変更も移動も容易。

・配管などの工事が不要で経済的。


【デメリット】

・複数のケースを並べたとき、1台1台独立しているため商品に連続感が

 出ない。

・冷凍機から機械音が発生することや、排熱があるため室内の換気が必要であ 

 ることを考慮する必要がある。(店内の冷房増強など、夏場対策も必要)

・ケース本体に冷凍機収容スペースが必要なため、庫内容量が小さい。

      

ショーケースの中には、食品を保冷する陳列室をガラス等によって外気と遮断した箱体の構造になっているクローズドタイプと、食品の陳列室をエアーカーテンの形状により外気と遮断した箱体の構造になっているオープンタイプがあります。


【小型ショーケース】

冷蔵小型ショーケースは、数ある冷蔵ショーケースのなかでも比較的小さな作りとなっており、場所を問わずさまざまな場所で使用できることが特徴です。ショーケースでは最も一般的な分類で、扉は片開きスイングドアまたは2枚スライドドアのものがほとんどです。

スイングドアタイプは縦型になりますが、スライドドアタイプは縦型以外にもテーブル型で作業台や物の置き場所として使用できるものもあります。

温度帯は3〜10度となっているため、おもにドリンク類を冷やすために使われます。大きさ以上のものを入れてしまうと、冷気が出てくる吹き出し口を塞いでしまい、本来の効果が期待できなくなってしまいます。

            


【リーチインショーケース】

リーチインケースとは、開閉扉のある冷蔵・冷凍用クローズ型ショーケースのです。 手を伸ばして(Reach)、中(In)の商品を取り出すことから、リーチインケースと呼ばれるようになりました。

冷蔵小型ショーケースと比較すると、幅と高さが大きく異なる大型の冷蔵ショーケースが、冷蔵リーチインショーケースです。

扉に使用されているガラスも単板ガラスではなく2重ガラスや複層ガラスを使用している場合が多く、結露防止効果や断熱性が高くなっています。スイングドアタイプの扉は、片開きでなく両開きや3面開きのタイプもあります。

         


【4面ガラスショーケース】

一般的な冷蔵ショーケースと比べると、4面すべてがガラス張りのショーケースです。どの角度からでも品物が確認できて視認性が高く、商品のアピール力に繋がるため、販促効果も期待できます。

扉は一面が片開きスイングドアとなっているものがほとんどです。

サイズは小型ショーケースと同程度です。

正面だけでなく背面も開閉できるようになっているものもあり、使いやすさにも優れています。

       


【ネタケース】

お寿司屋さんや炉端焼きのお店などで使用される冷蔵ショーケースの1種です。カウンター上に設置された前面ガラス張りの横に広い作りとなっているのが特徴です。カウンターに設置して新鮮なネタを保存しながら、お客様に目でも楽しんでもらえます。扉は背面2枚スライドドアで、前面からお客にネタが見えるようにして背面の扉からネタを取り出して調理します。

基本的には冷蔵のみの機能が備わっていますが、それだけでは内部が乾燥してしまう為、より鮮度を保ちたいのであれば、80%以上の湿度を保ってくれる機能のあるネタケースを選んでください。

ネタケースは、ショーケースとしての側面も強く、長期保管には適していないので使用する分だけ、業務用冷蔵庫から取り出して使ってください。

          


【対面ショーケース(ケーキケース)】

ケーキ屋さんでよく見かける前後面がガラス張りとなっているタイプで、ケーキの販売に適した冷蔵ショーケースが、ケーキケースです。対面販売がショーケース越しに出来ることから、対面ショーケースとも呼ばれています。

カウンターの内部に設置することで、効果的にケーキをアピールできます。

扉は2枚スライドドアですが、横幅の広いものはセンターピラーを挟んで4枚になっているタイプもあります。扉の位置も前面、後面、前後面どちらにも付いているといった複数のタイプがあるので、設置する場所に合わせて選ぶことが大切です。保管には適しませんので販売するもののみを入れてご使用ください。

       


本記事では、冷蔵ショーケースについてご紹介をいたしました。これから冷蔵ショーケースを購入する方などへのご参考になれば幸いです。冷蔵ショーケースは大変便利な存在ですが、長く使用していれば故障やトラブルが発生することがあります。弊社では、お客様のニーズや場所によってレイアウトの考案から施工・管理・アフターフォローに至るまで一貫対応しております。

ご購入や修理が必要な場合には宇佐見冷機に是非ご相談ください。

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