「冷凍庫の温度が下がらない」「冷えない」場合、かならず何かしらの故障原因があります。業務用冷凍・冷蔵庫が故障してしまうと、冷凍・冷蔵庫の中に入っている食品等が溶けてしまい、お客様に商品を提供できないなど大きな損失にも繋がってしまいます。
そのような事態を避けるためには、冷凍・冷蔵庫の故障原因を把握し、故障しない為の予防と早めの対処が必要となります。
今回は、業務用冷凍・冷蔵庫の故障原因と対策についてお伝えいたします。

【業務用冷凍庫・冷蔵庫の故障原因と対策】
①フィルターの汚れ
原因
フィルターにゴミやホコリ等が多く付着すると温度が下がらない状態や冷えない原因となります。その為、食材が駄目になってしまったり、電気代が余計にかかってしまいます。
縦型冷蔵庫は前面上のパネルを開けた正面に付いており、コールドテーブルであれば左右どちらかのパネルの下に設置されています。

対策
月2回を目安にフィルター清掃をしましょう。
フィルター清掃のお手入れの仕方をご紹介します。
① 小さなゴミやホコリのみの場合は水圧やタワシなどでフィルターを洗います。油を多く使用する厨房や作業室など近くにフライヤー等の油を使用する機器がある場合は、簡単には汚れが取れないため、中性洗剤を使ってタワシなどで洗浄をします。
② 洗浄したフィルターは、水分をよく拭き取って完全に乾かします。
③ 乾いたらすぐにフィルターを元に戻します。フィルターを洗浄している間も冷蔵庫は稼働しており、 フィルターを付けていない状態が長時間続くと、機械内部にホコリが溜まり故障の原因となります。
②パッキンの汚れ
原因
家庭用の冷蔵庫でも同じですが、業務用冷凍庫にもドアの部分に、「パッキン」というゴムが取り付けられています。このパッキンは冷凍庫に侵入する空気を遮断し、庫内の冷気の流出と外気の侵入を防ぐ役割を持っています。
パッキン部分に汚れが付着することでドアの締まりが悪くなることもあります。汚れを放置してしまうと、結果的にパッキンが裂けてしまう、パッキンが固まってしまい冷気が逃げてしまう、霜が付いてしまうなど、故障の原因にも繋がります。
パッキンが劣化したり剥がれたり歪んでしまったりすると、しっかり固定されず冷凍庫内の密閉性が低下し、さらには長期期間の使用により経年劣化し、パッキンが変形することで取り付け部分に隙間ができ、しっかりと密閉できていないこともあります。

対策
パッキンの汚れによる場合には、中性洗剤など使って掃除をするだけで改善する可能性もあるのでパッキンのお手入れ方法をご紹介いたします。
① 布をお湯で濡らし、パッキン表面の汚れを拭き取ります。
汚れがひどい場合はフィルター清掃と同様に、中性洗剤を使って汚れを落としていきます。
②水分が多く残っていると扉を閉めた後に開きにくくなる場合があるため、汚れの拭き取りが終わったら乾いた布で水分を全て拭き取ります。
③霜の付着
原因
霜の付着にはいくつかの原因が考えられます。まずは、扉の開閉回数が多い、扉を開けている時間が長い、扉に隙間があることが理由としてあげられます。冷凍庫のドアの開閉時には、外の水分を含んだ空気が冷凍庫内に入り込み、外気と冷凍庫内の温度・湿度の差によって結露が生じ、その水分が冷やされて霜が発生してしまいます。
その他の原因と考えられるのは、食材を詰め込みすぎている、霜取りセンサーやヒーターの故障があげられます。霜取りセンサーやヒーターの故障の際は修理を呼ぶしかありませんが、庫内に食材を詰めすぎてしまっている場合は、冷気の流れを妨げてしまい、冷えなくなっているので庫内の状況を確認しましょう。冷凍庫に発生した霜を放置していると、ドアが開かなくなったり、また、冷えにくくなることで食品等などが傷んでしまう可能性もあります。

対策
冷凍庫の霜取りの手順をご紹介いたします。
① 冷凍庫内の商品・食品等を全て取り出す
※霜が解けるまで時間がかかる可能があれば
別の冷蔵庫に移し替えたり食材が少ないときに行いましょう
②冷蔵庫の庫内や周辺の床に雑巾などを置く
※霜が解けた際に水浸しになる可能性がある為です
③ 電源プラグをコンセントから抜く
④ 冷凍庫の扉を開けて付着した霜を溶かす
※溶けない場合は付属のヘラで除去
※鋭利なもので霜取りをすると冷却パイプを傷つけ
ガス漏れの原因になることがあるので絶対にしないようにしましょう
⑤ 霜が完全に溶けたら庫内の排水栓を外し排水する
※霜が完全に解けない状態で霜をはがそうとすると、庫内の破損や怪我に
つながる恐れがある為、必ず霜が解けきるまで待ちましょう
⑥ 排水が完了したら排水栓を元に戻す
⑦ 乾いた布等で冷凍庫内の水分を十分にふきとる
⑧ 電源プラグをコンセントに確実に差し込み運転を開始する
⑨ 冷凍庫内の冷却を確認し商品・食品等を入れる
まとめ
業務用冷凍庫・冷蔵庫の故障原因と対策のポイント
① フィルターの詰まりによるもの→ホコリ等を取り除き洗う
② ゴムパッキンの劣化によるもの→清掃及び交換をする
③ 霜の付着によるもの→霜の除去をする

普段のお手入れをしていただくことで、急なトラブルや故障の可能性が低くなります。普段のお手入れや清掃で改善しない場合は、故障の可能性もありますので修理依頼を行ってください。機械トラブルや修理があった際は、弊社が迅速なご対応をさせていただきます。

