夏場は猛暑が続き、冬場は寒さに耐えるため、エアコンは生命を守る為の生活必需品となっています。
エアコンを取り付ける為には、室内機と室外機を設置し、この2台を接続するために壁に穴を開けての配管工事が必要となります。
室内機と室外機の2台の間には、どのような配管で、どのような役割を果たしているのか。
今回は、エアコンなどの空調機には欠かせない冷媒管・ドレン管についてご紹介させていただきます。
冷媒管の役割とは
断熱材で覆われた2本の銅製のパイプを冷媒管と呼びます。
また、必ず2本1組になるためペアコイルとも呼ばれる場合もあります。
このパイプは、室内機と室外機を循環しており、室内の熱を室外に放出する【冷媒】のフロンを運ぶためのものです。
冷房を作動させると、まず室外機の圧縮機で高圧の液体となった冷媒が、送り側の冷媒管から室内機に送られます。 液化した冷媒は室内機の熱交換器で気化します。
液体には、気化するときに周囲の熱を吸収する「気化熱」という性質があります。その為、この熱交換器に送風することで、室内機から冷風が送られるのです。 室内機で気化して熱を吸収した冷媒は、受け側の冷媒管で室外機に送られ、圧縮機で液体になります。この動きを繰り返して、室内の熱を外へと放出するのが冷房の仕組みとなるわけです。
室内の熱気をポンプで室外へ汲み出すような仕組みのため、ヒートポンプと呼ばれており、給湯器などにも利用されています。
エアコンの冷媒管は、液体を室内機に送る側は細く、気体を室外機に送る側は太くなっています。
また、この冷媒管があまりにも長くなると、熱交換率や電力効率が低くなってしまうため、室内機と室外機はできるだけ近い場所に設置しましょう。
ドレン管の役割とは
ドレンとは排水管のことを言います。英語でdrainは「排水、排出(する)」という意味になります。排水や下水溝を輩出するための配管ということです。
エアコンの取り付けにはドレン管(ドレンホース)という種類の配管も必要になります。
空気には、温度が下がると含まれる水分が少なくなる性質をもっており、エアコンは冷媒を使って室内の空気を冷やすため、室内機の熱交換器には空気中の水分が結露してたまることになります。
この水を室外に排出する役割を担っているのがドレン管になります。その為、ドレン管は室内機から室外へホースまたは塩ビ管などにて出す形で取り付けられます。
エアコンでのトラブル内容に、室内機からの水漏れがあげられますが、この原因はドレン管のつまりが大半で、その他には管のゆがみや経年劣化などの場合もあるので設計時の選定・施工が大事です。
また、ドレン管の排出口から虫などが入り込む場合もあります。
防止策として、ドレン管の先端にドレンキャップを装着するのが効果的となります。装着した際には、キャップ部分にゴミがつまりやすくなりますので、定期的なお手入れが必要です。
室外機や室内機だけでなく、配管に不備があると、本体の水漏れや、エアコンの冷暖房効果、電気代などに大きな差が出てきてしまいます。
劣化を防ぐためには
エアコンの取付で行う標準工事では、2本の冷媒管とドレン管の3本をまとめて樹脂のホースで覆い、キャンパステープで厳重に巻くなどの処置が取られます。
しかし、長い間、日光や風雨にさらされると、テープやホースが経年劣化して配管が露出し、冷媒管の断熱材まで風化して銅管がむき出しになるということが起こります。
また、機能上は問題はなくても、室内外にテープでぐるぐる巻きの配管が露出していると、見栄えが悪いと感じる方もいると思います。 その二点を防ぐのが配管のスリムダクト(化粧カバー)です。
スリムダクトを取り付けることでエアコンまわりがスッキリ見えるだけでなく、室外機などはとくに、配管の劣化を抑える効果があります。しかし、取り付けには標準工事費とは別料金がかかり、カバーの長さによって料金も変わってきます。
配管にも注目し、対策を取ることで、エアコンの寿命や効率は大きく変わってきます。
弊社では、空調工事・メンテナンスにも力をいれておりますので、ご検討の場合は、是非ご連絡ください。