フロン排出抑制法とは?

フロンとは?


 1928年にアメリカの科学者が「フロン」を開発しました。 フロンは自然界には存在しない化学物質で、フロンガスとも呼ばれています。フロンは無色・無臭・無毒・不燃性で化学的に安定していることから、エアコン、カーエアコン、衣類乾燥機、冷温自動販売機、飲食品冷蔵・冷凍ショーケース、冷蔵庫、冷水機などの冷媒(熱を運ぶ物質)、半導体の洗浄用、パソコンなどのためのダストブロワー(埃吹きスプレー)など、私たちの身の回りでたくさん使われています。

 そして今、最もたくさんフロンが使われているのは冷媒用途です。物を冷やしたり、温めたりするための機械の多くは、フロンが冷媒として使われているのです。新鮮な食べ物が食べられるのも、エアコンの効いた快適な空間も、フロンがあることにより支えられているといえます。


フロンガスに警告


 1974年、アメリカの二人の科学者は、フロンが成層圏のオゾンを破壊すると学術雑誌で発表しました。彼らは大発見をしたにもかかわらず、喜びを感じるどころか、世界の終わりが来た気分だったといいます。そして、「この影響は今すぐに出るのではなく、ずっと後になってからのことだが、今すぐ対策を講じなければ手遅れになる。」と警告したのです。


オゾンとは?


 オゾンは、酸素原子3個からなる気体です。高度10~16kmから50kmまでの

上空には、大気中のオゾンの90%が集まっている「オゾン層」があります。成層圏にあるオゾン層は、人間や動植物に悪影響のある太陽光の紫外線を吸収し、地球上の生物を守っています。


 オゾンは常に分解や生成を繰り返し、一定のバランスが保たれていましたが、フロンなどの化学物質の影響でこのバランスがくずれ始めました。フロンは大気中で分解しにくく、地上で放出されたフロンはゆっくりオゾン層に達します。そこで紫外線によって分解され、塩素原子が発生し、触媒となって、非常にたくさんのオゾンを分解してしまうのです。

 オゾン層が破壊されると、地上に降り注ぐ紫外線量が増え、人体や動植物に影響を及ぼすおそれが大きくなります。フロンの大気中への放出を減らすことにより、オゾン層の保護だけでなく、地球温暖化の防止にも役立ちます。

     


オゾン層の保護の為に日本での取り組み


 日本では、1988年に「オゾン層保護法(特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律)」をウィーン条約とモントリオール議定書の採択にあわせ、制定されました。オゾン層保護法には、排出抑制の努力義務やオゾン層破壊物質の生産や輸出入の規制などを規定しました。さらには、「フロン排出抑制法(フロン類使用の合理化及び管理の適正化に関する法律)」「自動車リサイクル法(使用済自動車の再資源化等に関する法律)」「家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)」によって、家庭や業務用の冷凍・冷蔵庫、エアコン、カーエアコンなどに入っているフロン類の適正な回収・破壊を進めています。


フロン排出抑制法の義務・罰則


 フロン類使用機器の所有者、ユーザー、メーカー、メンテナンス業者に対しての役割・義務として下記の事が定められています。


♦すべての機器について「簡易点検」(3カ月に1回以上)

➡無資格でも可

♦一定規模以上の機器について「定期点検」(規模に応じて1年~3年に1回以 

 上)

➡冷媒フロン類取扱技術者など専門知識のある者が実施

♦フロン類の漏えい時の修理等措置(修理をしないでフロン類の充填すること

 の禁止)

➡適正な専門業者に修理依頼

♦フロン類漏えい量の算定(毎年)と、一定量漏えいした場合の報告

➡フロン類充填回収業者から発行される充填証明書及び回収証明書から算定

 【フロン類の算定漏えい量が、1000t/年度(CO2換算)以上の場合、国へ

 の報告が必要です。】

♦機器ごとに、点検や修理等の記録及び保管


また、下記のような場合、罰則が科せられます。


①「機器の点検」、「漏えい対処」、「記録の保管」の「判断基準」に違反した場合、50万以下の罰金

②国から求められた「管理の適正化の実施状況報告」の未報告、虚偽報告は20万以下の罰金

③都道府県の立入検査の収去の拒否、妨げ、忌避した場合は20万以下の罰金

④算定漏えい量の未報告、虚偽報告をした場合は10万以下の過料


 地球温暖化やオゾン層破壊につながるフロン類の排出量を管理適正化し、使用に係わる皆が役割や責務を全うし、地球の環境を守っていきたいですね。


 フロン排出抑制法に係わる点検・修理、記録簿・報告書の作成まで有資格者(第一種冷媒フロン類取扱技術者)のいる我々、宇佐見冷機に是非お任せください!!








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